姫乃たまのR18 第4回 「晴れの日、雪の日、撮られる女の子」

大雪の成人式「もう大丈夫ですよ」と言っても撮影を続けたプロカメラマン

 雪で混乱する東京の映像を観ながら、4年前の成人式を思い出していました。式場を出ると降り続いていた雪であたりは真っ白で、最寄駅にはいつまでたっても電車が来なくて、タクシーもバスも道路の上でちっとも動かなくなったあの日。

 直前まで成人式に出席する気がなかった私は、数日前に、「来年の成人式じゃなくて?」と店員さんに驚かれながら購入した振袖を着て、バスの中から一向に変わらない景色を眺めていました。そんな調子で前撮りもしていなかったので、式の後に知り合いのカメラマンさんに撮影してもらう約束をしていたのです。
 エロ本で働いていたおかげで撮影を組む方法が知れてよかったなあ、なんて呑気に思っていたのですが、当日になって降り止む気配のない雪を見ていたら、だんだんといたたまれない気持ちになってきました。外は指がかじかんで、シャッターすら押せなさそうな寒さです。

 しかし雪の中、重たい機材を抱えて現れたカメラマンの平山訓生さんは、私のほうが心配になって「もう大丈夫ですよ」と言い出しても、振袖姿を撮り続けてくれました。平山さんの熱心な表情を見ているうちに、やっと今日が人生で一度きりの日なんだと実感できたほどです。だから東京に大雪が降ると、寒さと憂鬱の中に、少しだけ胸のすくような感覚があります。私の、思い出の日。

姫乃たまのR-18

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PROFILE

姫乃たま(ひめのたま)

地下アイドル/ライター 1993年2月12日、下北沢生まれ。16才よりフリーランスで地下アイドル活動を始め、ライブイベントへの出演を中心に、文筆業も営む。音楽ユニット 「僕とジョルジュ」では、作詞と歌唱を手がけており、主な音楽作品に『First Order』『もしもし、今日はどうだった』、僕とジョルジュ名義で『僕とジョルジュ』『僕とジョルジュ2』、著書に『職業としての地下アイドル』(朝日 新聞出版)『潜行~地下アイドルの人に言えない生活』(サイゾー社)がある。

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