姫乃たまのR18 第3回 「恋とおじさん」

おじさんと女の子のコミニケーション

 近ごろ流行りの「おじさんLINEごっこ」なる無慈悲な遊びがわかりやすいでしょう。一部のおじさん特有の、絵文字だらけのハイテンションな文面と、女の子に対する下心と自己顕示欲が絡まり合って、どこまでも自己完結している内容のLINEを、若い女の子たち同士で再現して揶揄するものです。
 この「おじさんLINEごっこ」からは、女の子のおじさんに対する心からの嫌悪と、ひとり相撲をとっているおじさんを純粋に面白がっている様子が、同時にうかがえます。

IMG_1792 女の子たちの強い嫌悪感は、おじさんが口説いてくる恐怖に向けられています。おじさんが絵文字を多用して若い女の子たちにテンションを寄せても、若い女の子よりも立場や肉体が強いことに変わりないからです。カラフルな文面に対して冷たく接したら、逆恨みされたり、危険な目に遭わないか、心に恐怖がよぎります。

 しかし、経験を積んでいるはずのおじさんと、その不器用さとのギャップに、親しみを感じている様子も少なからず見受けられました。
嫌悪感と親しみの間にあるのは、わずかな差のようです。

 例えば、カラオケで無理してエグザイルを歌うおじさんからは、何かしらの下心を感じますが(私は基本的におじさんが好きなので、それすらやや可愛く感じますが)、歌い慣れている「そして、神戸」を歌ってくれるおじさんの方が胸にきゅんときます。好きに楽しんでくれるほうが、こちらも気楽に接せるのです。

 同じ自己完結でも、相手に何かを期待するのとしないのとでは、印象が大きく違います。「君に合わせてエグザイルを歌っている俺」と「俺が慣れてる好きな曲を歌う俺」だったら、後者の方が押し付けがましくなく、積極的にコミュニケーションをとりたい気持ちになります。

 ……いや、しかし、女の子から見るとあざとい女の子がおじさんに好かれるように、「そして、神戸」を歌うおじさんは、おじさんから見るとあざといおじさんなのでしょうか……?
 うーん、まあそうだったとしても、ひとりでがんじがらめになって恐怖を与えるおじさんより、おじさんの魅力を自覚している人のほうが余裕があって安心だからそれでいいのです。

 探し物が諦めた途端にふと見つかるように、口説くのをやめた途端にふと女の子も寄ってくるのかもしれません。

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PROFILE

姫乃たま(ひめのたま)

地下アイドル/ライター 1993年2月12日、下北沢生まれ。16才よりフリーランスで地下アイドル活動を始め、ライブイベントへの出演を中心に、文筆業も営む。音楽ユニット 「僕とジョルジュ」では、作詞と歌唱を手がけており、主な音楽作品に『First Order』『もしもし、今日はどうだった』、僕とジョルジュ名義で『僕とジョルジュ』『僕とジョルジュ2』、著書に『職業としての地下アイドル』(朝日 新聞出版)『潜行~地下アイドルの人に言えない生活』(サイゾー社)がある。

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