アップル写真館 姫乃たまのR18 第2回「不倫」

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「なんでみんな不倫に対してあんなに怒ってると思う?! 自分も不倫したいからなんだって絶対! だってさ、アイドルがさー、議員になってさー、車で不倫セックスしてるとかこれまで聞いたことある? なかったよね! 俺もすっごい気になるし、みんなも羨ましいんだって。ちょっとこれ絶対に書いてよねー!」

 その日の取材相手はサービス精神旺盛な人で、はなから話題が脱線していました。私は一瞬リアクションに悩んだ末、ほとんど反射的に笑いながら、結局この部分は掲載しませんでした。そもそもインタビューの趣旨から逸れていたし(音楽に関する取材だった)、この発言を掲載したい意図はわからないけど、彼が得しないことは明らかだったからです。

 得しないどころか、不倫への好奇心や、賛成意見はそれだけで白い目で見られる対象になります。ましてや不倫なんかしようものなら、世間からはちゃめちゃに糾弾されるのです。人々の正しく生きようとする姿勢は、いつの間にか、正しくない他人を批判してもいい風潮にすり替わっています。

 有名人の不倫報道とその批判をこうも日々耳にしていると、もはや世間の人々と一緒に不倫現場を目撃したような気にすらなってきますが、実際の不倫はとても個人的なことで、目の当たりにする機会は滅多にありません。先の彼も議員のカーセックスを見たわけではなく、だからこそ気になっているのだと思います。
 私もアップル写真館への素人投稿動画を観ながら、「そういえば不倫セックスって初めて観たなあ」と妙にしみじみしてしまいました。

PROFILE

姫乃たま(ひめの たま)

地下アイドル/ライター 1993年2月12日、下北沢生まれ。16才よりフリーランスで地下アイドル活動を始め、ライブイベントへの出演を中心に、文筆業も営む。音楽ユニット「僕とジョルジュ」では、作詞と歌唱を手がけており、主な音楽作品に『First Order』『もしもし、今日はどうだった』、僕とジョルジュ名義で『僕とジョルジュ』『僕とジョルジュ2』、著書に『職業としての地下アイドル』(朝日新聞出版)『潜行~地下アイドルの人に言えない生活』(サイゾー社)がある。

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